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『美食探偵 明智五郎』東村アキコ 1巻ネタバレ感想 cocohana連載中

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東村アキコさんの最新作『美食探偵 明智五郎』の第1巻が2/25に発売!読みました!ネタバレ感想です。さすが東村さん。いつもと違う感じで面白かった。

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 『美食探偵 明智五郎』東村アキコ あらすじ 食に絡む推理漫画!

あらすじ
月に一度、美味しいものを食べる「東京美食倶楽部」開催中、メンバーの上遠野警部に一本の電話が入る。偶然にも同ホテルの一室で男女の死体が見つかったという。死因は毒殺。明智は警察から入手した情報とホテルのコネを利用して、苺を巻き込み調査に乗り出す。

登場人物
明智 五郎(あけち ごろう):見目麗しく、美味しいものをこよなく愛する私立探偵。個性的なウェービーヘアとループタイがトレードマーク。

小林 苺(こばやし いちご):ワゴン販売の弁当屋「イチゴ・デリ」の調理人。常連の明智から、急遽助手として調査に駆り出されることもしばしば。

マグダラのマリア:明智に夫の浮気調査を依頼したことがある。夫を殺害後、断崖から身を投げ行方不明に。

上遠野警部(かとおのけいぶ):明智の大学時代の同級生。月イチの食事会「東京美食倶楽部」に、明智にムリヤリ入れられた。

高橋(たかはし):上遠野警部の部下で新米刑事。憧れの明智に、捜査内容をペラペラ伝えてしまう。

試し読み
http://cocohana.shueisha.co.jp/viewer/higashimura/bishoku/index.html 

 




『美食探偵 明智五郎』東村アキコ 1巻の内容ネタバレ!

 集英社cocohanaに掲載されている作品。初めに読み切りとして掲載され、その後連載がスタートしました。東村アキコさんには珍しく、シリアスでギャグが少ない探偵モノです。

 読み切りが00話として収録されていますが、今後の世界観を語る上で重要な出会いが描かれており、2時間ドラマを見切ったような爽快感があります。探偵・明智五郎とイヤイヤながらも助手的な立場な小林苺、追うのか追われているのか存在自体が不思議なマリア。そこに様々な事件が起こっていく…という流れです。文字で説明するのは難しいし、やはり絵あってのお話なので簡潔にまとめます。

 00話「特別読み切り」

 旦那の不倫を調査して欲しいという堅実そうな女性が明智の元を訪ねる。普段和食しか食べず理系の研究員である夫が、帰宅するとスパイスのような香りを漂わせている。夜は帰宅しているとのことで、ランチを調査すると若い女性のアパートへ旦那が通っていることを突き止める。証拠写真を女性に渡し、一件落着かと思いきや…。テレビで旦那が殺害されたと報道されていた。一瞬であの女性だと悟った明智は、女性に電話をし、苺に車を出させ(明智は免許と車がない)ディナーに誘う。葉山のホテルにあるレストランで落ち合い明智に合うと女性はやりきった顔で、ドレスアップし雰囲気がかなり変わっていた。最後の晩餐と言ってディナーを愉しむ。

 旦那と女性が恋愛関係にあったかは分からず、証拠もなかった。何故殺したか、と聞くと女性は「セックスはいずれ年をとればしなくなる、食事はもっと長く続く夫婦の営みなのに」「私は10年、味噌汁と焼き魚を作って出していた。でも夫はあの女の手料理を食べていたことが許せない」と淡々と語る。

 ディナーの後、ホテルの部屋で最後の夜を共にしようとするが、女性は明智に睡眠薬を盛り部屋を出て行く。起きた明智が驚いて放置していた苺に声をかけ女性を探しに行くと、崖に立っていた。あと一歩のところで女性は海に身を投げる。

 日常に戻った明智と苺。苺はショックを受けていたが、明智は「死んだかどうかわからない」と。その手には、「マグダラのマリア」からのエアメールが。そこには”2回目の「晩餐」を…” との文字が…!

 

01話~03話「毒林檎殺人事件」

 タイトルは私が勝手につけましたw

 美食仲間と高級ホテルで豪華ランチを楽しむ五郎。そこで若い男女が毒物で殺されるという殺人事件が起こる。明智はホテルのコネと警察の情報、苺のアドバイスを受け調査に乗り出す。この事件のキーワードは「りんご」。表紙にも描かれている。

 ホテルのモーニングを食べた後亡くなった2人、メニューを調べるとホテルのメニューにはないりんごが胃の中から検出された。死体には口にやけどの跡があることから、高温で出されたりんごのジャムだったのではないかと推察する。男性は青森出身だったことも関係しているのか。

 街中でボーっと立つ1人の地味な女性が実家へ帰る。りんご農園の娘だった。女性は、殺された男性の幼馴染だった。東京に出て行った男性に荷物を送っていたが、男性は東京の生活に染まり自分へは見向きもしなくなった。殺したい。そう思ってネットに書き込む。それをマグダラのマリアが見つけ、殺しは私がやると全てを請け負ったのだった。マグダラのマリアは、明智のことが忘れられずもう一度会いたいから殺しをすると怪しくつぶやく。

 明智と苺は青森へ調査へ行く。りんごを調べ、りんご農園で会った地味な女性に話を聞く。女性の実家のリンゴ畑では、珍しい種類のりんご「茜」を作っていた。落ちたりんごをもらい、苺とジャム作りをすると、他のりんごよりとても美味しく出来上がる。明智は、再度女性の元へ行き自分が警察ではないことを打ち明けて全てを聞く。女性が殺ったのではなくマリアがしたことも分かっており、あなたを捕まえるのではなく、もうこれ以上被害者が出ないようにしたいと言う。

 女性がいつも送っていたジャムを、男性が若い女にあげて食べていたことをSNSで知り、殺したくなった。それを聞いたマリアが、ホテルに泊まった2人へスタッフのふりをして出来たてのりんごジャムをサービスするという名目で部屋に入り、隠し味として毒物を盛り、殺したのであった。ほどなくして警察が到着し女性は事情聴取されるが、実際に手を出していないので捕まる事はないだろう。。

 はたして警察に捕まらないマグダラのマリアは誰が捕まえるのか。このゲームは始まったばかりである。

 

『美食探偵 明智五郎』東村アキコ 1巻の感想と気になったこと

 読み切りのみ、cocohanaで読んだことがあって面白いなと思っていたのですが、まとめて読むとさらに没頭してしまいます。他の東村さんの作品と大きく違うのは、ギャグっぽいシーンが少なく真面目だということ。明智と苺、刑事とのやりとりはテンポよくおもしろいですが。人間の裏の顔、怖い部分を描くのがとても上手く、これは是非漫画を読んで体感してもらいたいなと思います。ちょっとウシジマくんかな?って思う雰囲気のところもあった…。食事、食べるものってその人にとってはとても大切なものだということを思い知らされます。

 いつも漫画の最後にある、オマケ漫画も今回はありませんでした。東村さんの作品はだいたいオマケ漫画がついており楽しみにしていたのですが、今回の作品は読後感が良く(殺人なのですが…あの金田一の最後みたいな)、内容も内容なのでオマケ漫画入れなかったのかな。

 また実写化されそうな勢いです。それにしてもよくこんな色々同時進行で書けるなぁ…!