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orange(映画)の感想と原作との違い:高野苺先生が実写映画を観ない理由は

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映画「orange」を観てきたので感想を!原作が好きでずっと読んでいたので、漫画との違いや、なぜ作者の高野苺先生は映画を観ないと言ってツイッターを削除したのかなど、自分なりに考察してみました。※ネタバレになります※

映画館サインあったよ~

 

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 映画「orange-オレンジ-」と漫画「orange」の違い

未来から手紙が届く人物の変更
漫画では過去からの手紙は5人届くのに、映画では菜穂と須和だけしか届かなかったところ。貴子・あずさ・萩田には「こういう手紙が届いた」と説明し、結果的に翔を救うため団結するのですが…また、過去への手紙を書くシーンも追加されていて菜穂の部屋で須和と手紙を書き、2人で公園に埋めていました。(タイムカプセルじゃね?)

翔の運命の日・大晦日
漫画では2月15日、バレンタインデーの翌日に自転車で大型トラックに轢かれてしまう…という流れでしたが、映画ではバレンタインデーが描かれず大晦日に大型トラックに轢かれてしまう(結局助かりますが)ことになっていました。

母からのメッセージ
母の死後、部屋を片付けていて母のスマホを見つけるシーン。漫画ではメールでしたが、映画では動画になっていて更に泣ける演出にされていました。

カットされたところ
・バレンタインデー
・翔の元クラスメイトと会うシーン
・翔が菜穂にヘアピンをあげるシーン

追加されていたところ
・翔が松本ぼんぼんを見て母を思い出す
・母の最後のシーン(車内で大量の薬)

※今漫画を読み返しています。何か気づいたことがあれば追加します。

 




映画「orange」の感想・キャスト・ロケーションについて

原作を読んで物語を知っていたのですが、よくまとめられているなと感じました。単行本全5巻を約2時間半ぐらいに凝縮してあり、かつ撮影期間が3ヶ月だと聞いていたので季節感など気になっていましたが、四季折々の長野県松本市が映し出されていて映像としてキレイでした。

高宮菜穂:土屋太鳳さん
個人的にあまり知らない(NHKとか見ないし…)女優さんだったので、映画を見るまでは菜穂??ちょっとイメージがちがうなと思っていました。が、しかしナレーションやしぐさ、菜穂の言いたいこと言えない控えめな性格をとてもよく演じていたと思います。声は広瀬すずさんに似てるなぁと感じました。ちょっと声が高くぶりっこっぽいのですがそれもまたいいのかも?菜穂の部屋や自宅も雰囲気にあっているいいロケーションのお家でした。

成瀬翔:山崎賢人さん
漫画実写化によくキャスティングされている王道のイケメンですが、翔のはかない感じが線の細さと合っていました。制服もいいですが体操服やジャージも良かった。

須和弘人:竜星涼さん
マジでいいヤツの役をさわやかに演じていました。ちょっと大人っぽいなと思ったら22歳らしい。

茅野貴子:山崎紘菜
村坂あずさ:清水くるみ
漫画のイメージのまま、クール&明るい役で映画に花を添えていました。

萩田朔:桜田通
漫画そっくりwww映画でもいい味出してたwww

中野先生:鶴見辰吾⇒いい味出してるベテラン教師。
上田先輩:真野恵里菜⇒翔にちょっかいを出す小悪魔な先輩。真野ちゃん映画よく出るな~
翔の母親:森口瑤子⇒重要なシーンで出てきて、漫画より描写が多い。
翔の祖父:草村礼子⇒優しそうな雰囲気がぴったり

という風に、キャストは実際見ると合っているなぁと思います。
ロケも長野県松本市で行われたようで、市内や橋、公園、行事など松本を感じられるように作られていました。ちょっと白線流し思い出す。。。

個人的な感想ですが、コブクロの主題歌「未来」は素敵ですが映画には少し重かったような。もう少し若い感じの楽曲が合っていたのかなと。

 




原作者・高野苺先生が映画「orange」を見ない理由とは何か?

高野苺さんは、初日舞台挨拶の前日、突然「映画を観ない」としてTwitterでつぶやき、その後アカウントを消して今もコメントを出していません。そうなった理由は何があるのでしょうか。個人的な考察です。

高野苺さんTwitter

orangeの実写映画ですが、私は観ないことにしました…色々辛いことがあり、観る勇気が出ないので。観たら感想言うと言ったけど申し訳ないです。

また今度改めて話すかもしれないですけど、でも今は映画は映画!原作は原作!と考えられるようになりました。それも最終巻への読者の皆さんの温かい言葉に、原作を大事に思ってくれている方がたくさんいるんだと、すごく励まされました。ありがとうございます!

 

巷で噂されていることの1つが、キャスト発表・撮影・公開までの時間が短く、高野さんが納得するものに仕上がらなかったのではということ。キャストが発表されたのが7月20日、クランクインが9月1日、クランクアップが10月11日、公開が12月12日と、クランクインから3か月半のスピードで公開されています。当初、高野さんは映画化について意欲的なコメントをしていました。かなり厳しい目で見ているらしいことも。この短期間の撮影や映画側の意向と合わないことが多かったのでは。

また、最終回・単行本5巻の発売・映画公開が重なりかなり忙しかったはず。心身ともに疲れていたとも考えられるし、公開の時期についても納得できるものではなかったのかも。

そしてここから私の個人的考えですが、もしかしてorengeは高野さん自身の体験談、つまり実話なのではないかと。もちろん未来からの手紙…は創作だとしても、過去、高野さんが翔のような大切な人を亡くした経験があり、「過去はやり直せないけれど、もし…」という想いをもとにorangeを描き始めたとしたら。この作品への思い入れが強いことは読者に伝わっていますし、大切な思い出がある作品を自分の手以外で作り直されたもの(映画はみていなくとも、脚本は見たのでは?)を見るに堪えられなく、「観る勇気が出ないので。」とつぶやいていたのかも…。

漫画の帯やチラシなどに、主題歌がコブクロに決まったことへのコメントが掲載されているのですが、高野さんは”「翔に聴かせたい歌」だと思いました”と言っており、あたかも翔がいたようなニュアンスにも取れます。本人から説明がない限り、憶測になってしまうのですが…。

映画自体は多少のツッコミどころはあるもののうまくまとめていたと思いますし、何より役者さんたちのブログ等を見るとかなりの熱意を持って取り組んでいたことがわかります。 高野さん本人がどう思っているのか、何があったのか知りたくなってしまうのですが…12/25のクリスマスの「高野苺『orange』&コミック情報公式」Twitterつぶやきによると体調を崩されているとのこと。何か語られるとしたら、もう少し先になってしまいそうです。 

コミックスはこちらから。全5巻です。 

表紙と裏表紙が続いていたり、カバーを外すと翔の姿があったりと工夫されています。