柊あおい / 耳をすませば 作者インタビュー&裏話です。
映画が有名だけど、元々漫画読んでいたので映画化したときはびっくりした!けど、もともと宮崎アニメに合いそうな絵柄ではあったのかな(^-^)
柊あおい『耳をすませば』
集英社文庫<コミック版>全1巻
本を読むことが大好きな中学生の雫。ある日、図書館で借りた本の図書カードを並べてみて、すべてのカードに“天沢聖司”という名前があるのに気づく。それ以来気になる存在になった顔も知らない“天沢聖司”のこと。さらに電車の中で見かけた黒猫についていったのをきっかけに出会った『地球屋』というお店。雫の少し特別な夏休みが幕を開けようとしていた。スタンダードな少女まんがとは一線を画したファンタジックワールド。
柊あおいprofile
1962年11月22日栃木県出身。1984年「りぼんオリジナル夏の号」掲載の『コバルト・ブルーのひとしずく』でデビュー。『星の瞳のシルエット』、『銀色のハーモニー』という長期連載を手がける。1986年に執筆した『耳をすませば』はスタジオジブリによりアニメ映画化された。身近な舞台設定と素朴な登場人物で描かれるやさしい世界観が魅力。
1989年はこんな時代でした!!
●事件、出来事……昭和天皇崩御。竹下内閣総辞職。宇野首相が就任約2か月で辞意を表明し、海部内閣発足。天安門事件起こる。連続幼女誘拐殺人事件で宮崎勤逮捕。
●話題……『ザ・ベストテン』が放送終了。手塚治虫逝去。美空ひばり逝去。よしもとばなな『TSUGUMI』がベストセラーに。映画『魔女の宅急便』が公開。
●ヒット曲……『GET WILD’89』(TM NETWORK)。『学園天国』(小泉今日子)。『リバーサイドホテル』(井上陽水)。『ごめんよ涙』(田原俊彦)。
中学生の雫が体験する不思議な夏の日。スタジオジブリのアニメ映画として知った人も多いかもしれない『耳をすませば』も、原作は柊あおいさんのまんがだった! この作品、柊さんにとってかなり思い出深いものだそう。
柊さんの好きなものがたくさん描かれている『耳をすませば』。このシーンに登場する飛行船も、そのひとつ! 「子供のころから好きだったので出したかったんですよね(笑)」(柊さん)。
飛行船を見て、思わずテンションが上がってしまう雫って、やはり柊さんの性格を明確に受け継いでいるのでは!?
描いたのは少女時代から好きだった世界。
しかし、読者からの反応は……?前作『星の瞳のシルエット』の3年に及ぶ連載を終え、「まったく違うタイプの作品が描きたい!」と思った柊さんが次に手がけたのは「少女時代から好きだった児童文学」をモチーフにした作品『耳をすませば』だった。ところが、そこに待っていたのは意外な反応だった!
「読者からの反響があまりよくなくて……(笑)。『星の瞳のシルエット』を読んでた人の大半は同じような世界を読みたかったんでしょうね。裏切られた気持ちになったんだろうって今は理解できるんですけど。当時は、自分が少女時代に児童文学が好きだったんだから、『りぼん』の読者もこの世界を受け入れてくれると思ってたんですよね」
少女時代、まんがに出会うより前に児童文学に触れていたという柊さん。「本はずっと読んでいたし、お絵かきも好きだった。だからそれが合体した“まんが”の存在を知ったときに、私にはこれがあったんだ! って思ったんです。長い文章を書くのは難しいけど、絵で描くなら自分に向いてるかなって」
香澄(かすみ)という内気な女の子を描き続けていたため、『耳をすませば』では全く違うタイプの女の子を主人公にした。それが雫(しずく)だ。
「とにかく突き抜けた性格の女の子が描きたくて。やっぱりうつうつした性格のキャラクターを描いてると自分もうつうつしてしまうんですよ! 弾むようなキャラクターを描いていると自分も楽しくなりますね」
好奇心旺盛で気の強い雫については、「小学生の頃の自分に近いかも(笑)」とのことだが、雫が図書館好きなのも「好きな本が何でも読めるというパラダイスのような場所でした」という柊さんとの共通点だ。
図書カードに書かれた名前をきっかけに、雫が恋の相手になる聖司(せいじ)を気になり始めるというエピソードも、図書館好きでなければ思いつかない発想だろう。
「直接会って恋に落ちるのではなくて、『どういう人かな?』と考えながら恋に落ちるのも、目先が変わっておもしろいかなと思って。間接的に恋愛に入っていくことが、自分にとってのロマンなんでしょうね」
いつまでも古びない作品にするために
絵柄を意識的に変えた。『耳をすませば』という作品を描くにあたって、柊さんがこだわった点があった。それは絵柄の変更だ。
「何年後に読んでも古くならず、違和感なく見られるものにしたくて、意識的に変えたんです。参考にしたのは、やっぱり児童文学の挿絵。
ストーリーは自分の好きな世界ですから、すぐ考えられるんですけど、絵は丁寧に描こうと思っていたので、背景とか『地球屋』の商品を描くのは大変でした(笑)。なるべくスクリーントーンを使わない部分を増やそうとしていたので、ますます面倒なことになってましたね(笑)」
ストーリーに、絵柄に、柊さんがこの作品にこめた様々なこだわりが宮崎駿監督の目に留まり、『耳をすませば』は1995年、スタジオジブリの手によってアニメ映画化された。
「未だに実感として信じられないんですよ(笑)。違う世界の出来事なのかなって。実際に作品が出来上がって、スクリーンには自分の名前が流れてるんですけど、それでも信じられない!」
スタジオジブリの世界観とぴったりマッチしていたこの作品。映画をきっかけにファンになった人も多いはずだ。
「普段あまりまんがを読まず、児童文学を読むような方はこの作品が好きと言ってくれますね。結局、こういう作品が好きな人は普段から『りぼん』を読まないんですよね!
結果的に短期連載になってしまいましたが、自分の中で描きたいものを描けたので、やった価値はあったなと思っています」
映画のエピソード!
宮崎駿の義父が建てた山小屋には、彼の姪らが昔読んだ少女マンガ雑誌が残されていて、宮崎は毎年夏の休暇中にそれらを読むのが習慣だった。
1989年の夏、雑誌がボロボロになったので、宮崎が農協のスーパーで新しいのを買ったところ、2度目に購入した雑誌に原作漫画の連載2回目が掲載されていて、これに興味を持ったのが制作のきっかけとなった[2]。
一方『耳をすませば』の文庫本に掲載されている鈴木敏夫の解説によれば、山小屋とは宮崎の義理の父親のアトリエであり、雑誌は宮崎の姪らが昔に読んだ雑誌だったという。
休暇を共にしたスタッフで『耳をすませば』の一部から全体がどんな話なのかを膨らませていったといい、実際に宮崎が原作を全編通して読んだとき「ストーリーが違う」と怒ったという。
舞台になった京王線聖蹟桜ヶ丘駅周辺のロケ地めぐりとか、楽しそう…
当時友達がそこらへんの大学に行っていて良く遊びに行ったけど、確かに丘(山?)が多くてゆったりしてたなァ…
映画「耳をすませば」のロケ地画像まとめ【聖蹟桜ヶ丘】 – NAVER まとめ
「耳をすませば」のすべてがここに!舞台となった「聖蹟桜ヶ丘」はとても素敵な街だった | RETRIP
幸せな時間―耳をすませば (りぼんマスコットコミックス (841))
- 作者: 柊あおい
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/02
- メディア: コミック
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