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【集英社・少女まんがアーカイブ】水沢めぐみ / 姫ちゃんのリボン 作者インタビュー&裏話

姫ちゃんのリボン DVD BOX 2

水沢めぐみ / 作者インタビュー&裏話です。

 

水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』 

姫ちゃんのリボン 全6巻セット (集英社文庫―コミック版)

姫ちゃんのリボン 全6巻セット (集英社文庫―コミック版)

 

 集英社文庫<コミック版>全6巻

誰にでも変身できる魔法のリボンを手に入れた姫ちゃん。先のことをよく考えず、そのときの衝動で行動してしまう彼女は次から次へとトラブルを巻き起こす!? 全国の女の子がドキドキ&ワクワクしながら素直でまっすぐな姫ちゃんを応援。彼女が自分自身を勇気づけるために使う言葉「いけいけゴーゴー!! じゃーんぷ!!」も流行した。

水沢めぐみprofile

7月3日生まれ。79年、「りぼん」より『心にそっとささやいて』でデビュー。読み終えたあと心がほっこりあたたまる作風が魅力。代表作に『ポニーテール白書』『ないしょのプリンセス』等ヒット作多数。現在『クッキー』にて『キラキラ100%』を連載中。高校生の娘さんがいるだけあって、リアルかつドキドキ満載の内容に!

 

1990年はこんな時代でした!!
●事件、出来事……勝新太郎がパンツの中にコカインを隠し持ちハワイで逮捕、国際花と緑の博覧会開催、女子高生校門圧死事件、礼宮様と紀子様が結婚、東西ドイツ統一、秋山豊寛氏が日本人初の宇宙飛行士に
●話題、ヒット商品……ティラミス、スーパーファミコン
●ヒット曲……『おどるポンポコリン』(B.B.クイーンズ)、『浪漫飛行』(米米CLUB)、『今すぐKiss Me』(リンドバーグ)、『会いたい』(沢田知可子)
●流行語……「オヤジギャル」「アッシーくん」「成田離婚」

 

「パラレル、パラレル」と呪文を唱えればなれたい人に変身できる。そんな夢のような“魔法のリボン”を手に入れた主人公・姫ちゃん。オッチョコチョイな彼女が巻き起こす事件、そして、大地との恋の行方に毎回ドキドキさせられっぱなしでした!

 

魔法の国の王女さまから手渡された“魔法のリボン”。これには「事件を魔法ですぐに解決できてしまうとストーリーが広がらないから」と“変身できる時間は1時間。リボンをつけている間だけ。人間界に存在する人にしか変身できない。変身している間もその人は存在する。変身している間、リボンはペンダントに。それをはずすことはできない……”細かい制約を設けたんだとか!!

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ずっと描きたかった魔法少女まんが。
この作品でその夢が叶ったんです

 主人公の姫(ひめ)ちゃんはヤンチャでおてんばな“男の子みたいな女の子”。そんな彼女の前に、魔法の国の王女様・エリカが現れる。彼女の目的は「魔法の国では王家を継ぐための修行として、ひとりの人間を一年間観察して日記をつけること」。そのターゲットに選ばれたのが姫ちゃんだったのだ。それを了承してくれた姫ちゃんのもとにエリカは「お礼としてコレを貸してあげる」と、なりたい人に1時間だけ変身できる“魔法のリボン”を置いていく……。

 

「私ね、幼い頃から“魔法少女ものアニメ”が大好きだったんですよ」

 

 数ある魔法少女もの作品のなかでも水沢先生が夢中になったのが『ひみつのアッコちゃん』。コンパクトを開き呪文を唱えると違う人に変身できる……幼い頃はそんなアッコちゃんのマネをしては妄想をふくらませていたんだとか。

 

「自分が夢中になっただけに“いつか私も魔法少女ものを描いてみたい”ってずっと思っていたんですよね。その願いが叶ったのがこの『姫ちゃんのリボン』。それだけに、本当にこの作品は描くのが楽しかった!! 毎回、ノリノリで原稿用紙に向かっていたような気がします(笑)」

 

 連載当初から秘かにアニメ化を意識してこの作品を描いていたという事実も!?

 

「そうなんですよ(笑)。“魔法少女ものを描くからにはアニメにしたい!”と思っていて。例えば、姫ちゃんの学校の制服に関しても“アニメで色塗りするときに混乱しないように”って、夏服と冬服のデザインはそのままに袖の長さだけ変えてみたり……勝手にアニメ化を意識して描いてましたね。そんなオファーなんて全く来てなかったのに(笑)」

 

 そんな先生の努力の成果か!? 後に実際にアニメ化が決定。当初1年連載を予定していた今作も「連載も好評だし、もう少し続けようか」という展開に!!

 

「1年で終わる予定だからこそエリカの修行期間も1年に設定していたんですよ。それだけに、ものすごく嬉しくはあったんですけど、正直、戸惑いもしました。エリカの修行期間を延ばすにしても、いつ連載が終わるかどうかも決まっていない状態だったので、どれくらい延ばしたらいいのか見当もつかなくて……その結果、“もうしばらく日記を継続することを命ずる!”なんてセリフを王様に言わせることになってしまったんですよね。“もうしばらく”って……曖昧にもほどがありますよね(笑)」

 

自分のなかに存在する“憧れの女の子像”と
“憧れの男の子像”がキャラクターになって登場。

 主人公の姫ちゃんは、深く考えずに行動にうつしてしまうアクティブタイプのオッチョコチョイ(笑)。それだけに、変身したまま元の姿に戻れなくなってしまったり、魔法のリボンの秘密どころか魔法の国の存在が人間界にバレてしまいそうになったり……事件を次々と巻き起こす!! そんな姫ちゃんを影で支えてくれたのが同級生の小林大地(こばやしだいち)。姫ちゃんと大地の恋がどうなるのか!? それもまた今作の見どころのひとつ。

 

「姫ちゃんは私の憧れの女の子像なんです。私はどちらかというと、仲の良い友達の前では面白いこともできるんだけど、男の子や大勢の前だと緊張して大人しくなってしまう女の子だったので。男女関係なくたくさんの友達とフランクに接することのできる、姫ちゃんみたいな女の子にずっと憧れていたんですよね」

 

 大地にもまた、水沢先生の“憧れ”が織り込まれているんだとか!?

 

「常に影から見守っていてくれて、いざというときは助けにきてくれる……まんがでいうと『ベルサイユのばら』のアンドレが大好きで。そういう私の理想の男性像が大地に反映されていることは否めないですね(笑)」

 

 今作の制作の裏にはこんなエピソードも。

 

「姫ちゃんの住む風立(かぜたち)市は東京の国立(くにたち)市がモデルなんです。当時、知り合いが国立市の中学校教諭をしていて。参考資料集めを目的にその方が勤めている中学校を見学しに行ったんですよ。そこで訪れた国立の町並みが姫ちゃんのイメージにピタリとハマったので。風立市の駅なんかは国立駅そのままに描いているんですよ」

 

 見学に行った中学校では様々なインスピレーションを受けることができたとか。

 

「最近はあまり行ってないんですけど。昔はよく、新しい作品に取りかかるとき、学校に見学に行っていたんですよ。実際に学生さんたちが生活をおくっている場所を目にすると“こういう場所で主人公が告白したらいいなぁ”とか“ここから好きな人の部活中の姿を眺めるんだろうなぁ”とか、ストーリーがふくらんでいったりするんです。見学に行った場所がそのまま作中に登場することもあるんですよ。『姫ちゃんのリボン』では、屋上に続く階段が姫ちゃんと大地の秘密の場所になっているんですけど。そこもまた、実際にあった場所。階段を隠すように置いてあるオバケの看板も、実際にその中学校にあったものなんです」

(取材・文/石井美輪)

 

その②

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リボンを破ってしまったことで、変身した姿から戻れなくなってしまった姫ちゃん。“1時間しか変身できない”というルールを破ってしまったり、変身した相手と遭遇しそうになってしまったり……危うい姫ちゃんの行動に読者はヒヤヒヤさせられた(笑)。

気付けばアニメが一番のライバルに!!
プレッシャーに負けそうになったことも。

 ずっと描きたかった魔法少女ものだけに「この作品には描いているときから強い思い入れがあった」という水沢先生。

 

「それだけに、楽しんで描けたんですけど。逆にその思い入れの強さが自分を苦しめてしまうこともあったんですよ」

 

 先生を苦しめたもののひとつが念願であったハズのアニメ!!

 

「今では別の作品として楽しめるんですけど。当時はなかなか自分と切り離すことができなかったんですよね。アニメのオリジナルストーリーが増えれば増えるほど、また、それが面白ければ面白いほど“私ももっと面白いものを描かなければ”って、自分自身にプレッシャーをかけてしまったんですよ。気がつけば、アニメが私の一番のライバルになってしまっていたんですよね」

 

 その結果、考えすぎて空回りしてしまうこともあったんだとか。それは、こんな驚きの事態を引き起こすことに……!?

 

「実はこの作品はね、コミックスにするときに大幅に描き直しをしているんですよ。エピソードをひとつ削るどころか、登場人物をひとり削っているんです(笑)。連載時はもうひとり男の子が登場しているんだけれど、彼が存在することでストーリーが上手くつながらなくなってしまって。彼の役をそのまま日比野(ひびの)ひかるに置き換えたんですよ」

 

 連載時とコミックスでは全く違う話になってしまっているという異例中の異例な事態!! そこに踏み込むにも勇気が必要だったと思うし、連載を抱えながらコミックスの描き直しをするのはものすご?くハードな作業だったハズ!! それだけに、どれだけ水沢先生がこの作品を愛していたかがよくわかるエピソードだ。

 

「苦しんだこともあったけれど、アニメはいつも楽しんで見ていたし、アニメ化して良かったなと思うことのほうが多いんですよ」

 

大切なのは魔法を使って違う人になることではなく、
素敵な自分自身を磨くことなんですよね。

『姫ちゃんのリボン』といえばSMAPの草なぎ剛さんが声優として参加。姫ちゃんが想いを寄せる支倉(はせくら)先輩の声を担当。俳優や女優が声優として活躍するのが当たり前の今とは違い、それが珍しかった当時は大きな話題を呼んだ。

 

「主題歌もSMAPさんが歌う『笑顔のゲンキ』だったんですよね。今作はアニメ化だけでなく舞台化もされているんですけど。そこでは大地(だいち)役を草なぎさんが、支倉先輩役を長瀬智也さんが演じているんですよ。今思うとものすごく豪華なメンバーですよね」

 

 草なぎさんや長瀬さんファンの女の子がアニメや舞台をきっかけにコミックスを手に取ってくれたり、より幅広い人々にまんがを読んでもらうことができた。それはとても嬉しいことだと水沢先生は言う。

 

「また私自身、この作品がきっかけでSMAPさんと長瀬さんの大ファンになってしまって(笑)。そこで生まれて初めてアイドルに夢中になる女の子の気持ちを理解したんですよ。『姫ちゃんのリボン』の連載が終わったあとに『ガラスのむこうに花束を』というアイドルと普通の女の子の恋愛ストーリーを描いたんですけど。それはこの経験があったからこそ描けた作品。そしてまた、この作品は読者からのウケがものすごく良くて(笑)。今振り返ると、本当に『姫ちゃんのリボン』はいろんな経験と濃厚な時間を私にプレゼントしてくれた作品だなって思うんですよね」

 

 最終回、最後のページに姫ちゃんのこんな言葉がある。「パラレル、パラレル。もっと素敵なわたしにな?れ!!」。そこには「大事なのは“違う人”になろうとすることではなく“素敵な自分”を磨くことなんだよ」という水沢先生のメッセージが込められている。

 

「最初は、ただ楽しい魔法少女ものを描きたいという思いからスタートした『姫ちゃんのリボン』ですが、連載中に様々な経験をすることで“伝えたいメッセージ”がどんどん明確になっていった。そんな想いを込めた姫ちゃんの最後の言葉が、ひとりでも多くの女の子の胸のなかに残っていたら嬉しいなって思うんです」

 

(取材・文/石井美輪)

少女まんがアーカイブ/s-woman.net/集英社

少女まんがアーカイブ/s-woman.net/集英社

少女まんがアーカイブ/s-woman.net/集英社

りぼん連載時とコミックスの違いをまとめたページ

姫ちゃんのリボン変更点調査報告書

 

大地くん人気あったな~( *´艸`)

数年後に別の人がリメイクとして「姫ちゃんのリボン」描いてるんですよね。

姫ちゃんのリボンカラフル 1 (りぼんマスコットコミックス)

ぜ ぜんぜん違うwリボンの位置www

 

『姫ちゃんのリボン カラフル』(ひめちゃんのリボン カラフル)は、込由野しほによる本作のリメイク漫画。『りぼん』(集英社)2009年10月号から2010年12月号まで連載された。また、2010年12月発売の『冬の大増刊号 りぼんスペシャル』に番外編が掲載がされた。全4巻。
登場人物の入れ替えにより、変身できるところ等の基本な所以外大きく様変わりしている。また、単行本1巻に原作者の水沢めぐみのコメントが書かれてある。

原作との相違点

  • 原作ではリボンを後頭部にしているのに対し、本作では前頭部にしている。
  • 姫子の家族構成が姉と妹ではなく、兄と弟。大地の家族構成も弟から妹に変わっている。
  • 姫子の男っぽさが増し、所属しているクラブも演劇部から柔道部に変更。
  • 姫子のお供がポコ太ではなく、エリカが姫子を観察する為に変身した猫。
  • チャッピーが箒ではなく鳥。

姫ちゃんのリボン – Wikipedia

 

読んだことなかったけど、結構内容違うみたいです。

別物としてみたほうがよさそう。

姫ちゃんのリボン 全10巻完結 [マーケットプレイス コミックセット]

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姫ちゃんのリボン 全6巻セット (集英社文庫―コミック版)

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