漫画家・高野苺先生がTwitterを削除した。 翌日に舞台挨拶&上映会が行われるという日に「映画を観ない」 と言い炎上したのである。
『orange』という映画は12月12日から公開される。 この映画は月刊アクションにて連載され、全5巻発売中の高野苺( 以下敬称略)の漫画『orange』を実写化したもの。
これだけだと、最近よくある少女漫画の実写映画化…だが、 この作品は様々な出来事が起こっていて漫画の内容よりも気になる 部分が多いので、個人的な考えを交えて勝手にまとめていきたい。
作者は高野 苺(たかの いちご)、1986年1月11日生まれの29歳。長野県出身、
ここまで見ると順風満帆に見える。が、『orange』 は2013年1月号から、作者体調不良のため休載。その後、『 別冊マーガレット』で復活することなく双葉社『月刊アクション』 へ移籍し、2014年2月号より連載再開している。
昔と違い、 1人の漫画家が他社の漫画誌に連載を持つことも珍しくないが、 途中で移籍するというのは少女漫画ではあまり見かけない。 一読者としての感想は、 編集部と方向性が違うなどで何かしら揉めたのではないかと思って しまう。当時、 公式サイトで高野氏はこのようにコメントしていた。
体調を崩し別マで連載が出来なくなったが、再開したいと別マ編集に持ちかけた時には担当はいなくなり応えて 頂けなかった
この時点でコミックスが2巻まで出ており、
年賀状下さった別マの時の初代担当さん、ありがとうございました。まさか来るとは思わなかったのでホロリときました。こんなとこ書いても届かないけど、どうすることもできず、ただお礼言いたくて
これも「どうすることもできず」 って何なんだろうと疑問に感じていた。 大人のビジネスの世界なのだから年賀状返すとか手紙書くとかした らよいのに(会社に送れば)担当さんが退社していたとか? そもそも「まさか来るとは思わなかったので」 って何かしらの感情があったのかと推測してしまう。 この移籍前後の流れを見ていて、 きっと高野氏はまっすぐで純粋な人なのだろうと感じた。 それが自分にとっては少し不安定に感じ、目が離せなくなった。
裏事情は知る由もないけれど、 読む側にとっては続きが読める! ということが嬉しくてそれまで買ったこともなかった月刊アクショ ンを毎月買っていた。 別冊マーガレットとは明らかに雰囲気の違う連載陣の中で、 いい意味で浮いていたがそれでも漫画は面白く、 双葉社の中の人もかなりプッシュしていたように思う。 漫画の連載も順調に進んでいたところで映画化決定。 漫画の実写映画化は常に賛否両論があるけれど… 高野氏もキャストを選ぶ際に助言したり、 撮影に行ったり差入れしたりと前向きに取り組んでいたように見え た。
しかし、完成披露試写会前日の11月22日夜、突然「 映画は見ない事にしました」とTwitterで発言。 当然炎上し、一度は「すみません」 とTwitterを更新したもののその後アカウント削除。 12月1日現在復活されておらず、 本人のコメント発表はないままである。
炎上の理由は、作者がこのタイミングで「観ない」 などと言ったこと、演者に失礼だろ、大人げない、 などさんざんだった。ただ一部は、元々不安定な感じの人だから、 まぁ…ぁあ…のような雰囲気の人もいた。私も「あぁ…また…」 と思ってしまった。
映画は2015年12月12日に東宝系にて公開予定。 キャストは7月20日に発表され、9月1日、 長野県飯田市でクランクイン。監督は橋本光二郎氏。( Twitterで「結構原作改変する人だからな」 とつぶやいている人がいた。感慨深い。)主演は、 NHK連続テレビ小説「まれ」 に出演していた土屋太鳳と山崎賢人。公開までに何らかの動きがあるのか、ないのか。 今後も追っていきたいと思う。
映画化については思ったより盛り上がってないような気がするのは 自分だけ?例えば桐谷美玲主演の「ヒロイン失格」や「バクマン! 」などはゴリ押し感が強く、 興味がなくても目に入るぐらいプロモーションされていた。 orangeは主題歌コブクロ、 東宝系にて公開という盛り上がりそうな要素があるものの、 キャストにゴリ押し感(ジャニーズ・AKB・ EXILEファミリーなど)がないからか…。 高野氏がミーハーな配役は辞めてって言ったのかなァなどとこれも 勘ぐるw原作が双葉社だからとかそういうのも関係あるのか?” 集英社『別冊マーガレット』原作” のままだったらもっとゴリ押しされていたのかな… などと要らぬ想像をしている。
映画は公開されたら観に行き、感想も残したい。
高野氏は月刊アクションでorangeを完結させたけど、 今後どうするのだろう。 双葉社は高野氏メインで1冊少女漫画誌を作ってもよさそうな気が 。そのくらい高野氏の絵柄は人気があると思う。 映画のごたごたで漫画家を辞めるようなことはないことを願う。
主演の土屋太鳳と監督の橋本光二郎の対談。
高野氏に会った時の印象なども。
お話の内容はここでは書かなかったけれど、SF要素があってとても面白いと思う。最後の終わり方についてはこれまた色々あるかもしれないけど、本人が描きたい事全て描けたとあとがきに残しているので、是非読んでみてほしい。